東海村・原子力科学館

「ひゃっ、あーびっくりした。お客さんですか、いらっしゃらいませ、ふー、びっくりした」

「・・・・・・・・・」

別に驚かそうだなんて微塵も思っていない。普通に入館しただけである。あまりに暇すぎで恐らく寝ていたと思われる、受付のおばちゃんにひどく驚かれる。凄まじいほどのやる気のなさである。他の観光施設であれば一番混雑するであろう日曜の午後イチでこれだ。脱力っぷりにはもはや完敗である。

そもそも茨城原子力科学館は茨城原子力協議会という特例社団法人が運営する非営利施設だけあって観客をもてなそうとする気力は皆無である。

それにしても人がいない。誰もいないのだ。まあ、それも福島原発の事故が起きて原発産業自体が斜陽であるし、肝心の東海原発が止まっている状況じゃここを賑わそうというのが無理な相談なのかもしれない。でも、それを差し引いてもこの閑散っぷりは凄い。

とりあえず順路に従い見て回ったのだが基本的に原子力はいかに素晴らしいものかということをこれでもかというぐらい力説する洗脳施設である。この強引さはいわばマルチ商法の勧誘に近い。原子力を否定する奴はもはや非国民扱いのあり様だ。もちろん、このサイトは単なる観光案内サイトであるから原発の是非を問うつもりはなく、原発の賛否は各々がご自身の判断して欲しいのだがいくら原子力の素晴らしさを説かれたところで福島の惨状を見ちゃうとあまり説得力がない気がするのだが・・・。

genshiryoku02

なんでそんなにも得意げに調整中をアピールしているのか

ただ、マルチ云々は別にして、個人的には館内展示の目玉であるアトミック・パノラマ・スコープを楽しみにして来たのだが、なんと、「ごめんね、調整中です」。これが目玉だろ?やる気あんのか(ないのは分かるけど)。

とりあえずまあ無料だし、たまたまウチから車で10分だから腹も立たんが(はじめから諦めていた)、これを目的にきた人がいればかなりガッカリすると思う。

genshiryoku03

通称霧箱、白いミミズのようなものが宇宙から降り注ぐ放射線

ただ、宇宙から降り注ぐ放射線を肉眼で確認できるという霧箱は凄かった。ピューン、ピューンと無数の放射線が降り注いでいるのが目視できる。ま、2分で飽きたんだけどさ・・・。

最後に見学バスに乗って原発の敷地を見て回ろうと思ったら、受付のおばちゃんに、予約のない人は無理とけんもほろろに断られた。いや、見る人がいっぱいいてもう枠がないというのなら分かるんですよ。でも聞いたら枠に空きはあるっていうじゃない(もしかしたら誰もいない可能性も)、けど、決まりだの一点張りで絶対に譲らない。勧進帳の富樫左衛門じゃあるまいし、なんでそこまで頑なに拒むのか分からない。あれで館長の知人がいきなり来たときも俺と同じように絶対に無理だと言い張るのかね。であれば、たいしたもんだと思うが絶対に違うよな。自分の身内とか偉い人の知り合いとかだと、あーどうぞどうぞで入れちゃうんだろう、ミエミエ。原発というナイーブな場所であるからいろいろと面倒なのは分かるけど事前に予約しようが当日飛び入りで参加しようがあまり意味はないと思われる。なぜなら予約といっても電話予約だけだから。俺は免許証も保険証も持っており、見せろと言われれば見せるし、携帯の番号を教えるのも訳はない。

ちょっと腹立たしかったな。

 

原発推進派なら ★★★★★
やる気のなさ ★★★★★
混雑が嫌いな人向け ★★★★★

 

所在地
茨城県那珂郡東海村村松225-2
問い合わせ先029-282-3111
利用可能時間開館時間:9:00~16:00
料金無料
休日年末年始・月曜日(祝日の場合は翌日)
駐車場無料駐車場あり
ホームページhttp://www.ibagen.or.jp

関連記事

ピックアップ記事

ページ上部へ戻る